聖霊に吹かれて生き直す
（ヨハネによる福音書３章１～１７節）
本日の福音書の箇所には、ニコデモという議員が登場します。ニコデモは、「神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行うことはできない。」とイエスに言います。ニコデモは、イエスの行う病人のいやしや奇跡を知り、イエスが神の子であることの確証を、ますます強めようとし、さらに自分自身も、イエスのように神と共に生きていく者となりたい、と願います。そのニコデモに対してイエスは、「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」と言います。神と共にいるから人は奇跡を行なえるのではなく、また奇跡を行なう人が神と共にいるのではない。人は、「新たに」生まれなければ、神の国を見ることができず、神と共に生きていく者とはならない。このようにイエスはニコデモに言います。ニコデモは、神と共に生き、神の国を見るための、「新しく」生まれる、ということを、困難なものとして自分なりにとらえてしまいました。もう一度母の胎内に入って生まれ出直すことを想像しました。しかしイエスの言う「新たに」生まれるとは、神の力によって生き直す、ことを意味しました。神より与えられる聖霊の力によって、自分自身が変わること、新たに生き直すことが、神と共に生きること、神の国を見ること、なのです。
イエスの言う「新たに生まれなければ・・・」という言葉の、「新たに」という原語（ギリシア語）は、もともと「上から」という意味です。上からの、天からの力、すなわち聖霊によって生まれなければ、神の国を見ることも、神の国に入ることもできない、とイエスは述べているのです。神と共に生きること、神の国に入ること、を求めているニコデモは、聖霊に吹かれなければならないのです。イエスのみ言葉とみ業を、まず「受け入れる」こと。このことが、聖霊の吹く道を見い出し、聖霊に吹かれて歩んでいくことになるのです。