(ヨハネによる福音書14:8-17)
聖霊降臨日は、主イエスが約束された聖霊が弟子たちに注がれ、教会が誕生したことを祝う日です。
本日の聖書箇所は、主イエスが十字架に向かう直前、弟子たちに語られた「別れの説教」の一部です。弟子たちは師の不在を前に不安と恐れを抱いていました。その中でイエスは「別の弁護者」、すなわち聖霊を約束されます。
弟子フィリポが「御父をお示しください」と願ったのは、不安の中で「確かなもの」を求めた心の表れです。私たちも信仰生活で同じ思いを抱くことがあります。そんなフィリポに対してイエスは、「わたしを見た者は、父を見たのだ」と語り、ご自身が父なる神の愛と真理を完全に表していることを示されました。
さらにイエスは、「わたしは父にお願いしよう。そうすれば、父は別の弁護者をお与えになり、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる」と約束されます。「別の弁護者(パラクレートス)」とは、弁護者、助け主、慰め主、励まし手、伴走者といった豊かな意味を持ち、聖霊が私たちにとって力強い伴侶となることを示しています。
また、「真理の霊」として、聖霊は私たちの心に働き、神の愛と福音の真理を深く知らせてくださいます。迷いや試練の中でも、聖霊は私たちを支え、真理へと導いてくださいます。そして、「永遠にあなたがたと一緒にいる」との約束は、私たちに大きな慰めと希望を与えます。聖霊は目には見えなくとも、いつでも、どこでも、私たちとともにいてくださいます。
ペンテコステは、弟子たちが聖霊によって力を受け、宣教を始めた教会の誕生日です。教会は2000年にわたり、聖霊の導きの中で歩んできました。困難や迫害の中でも、聖霊は「別の弁護者」として教会を支えてこられました。私たちの教会も、この大きな神の家族の一部であることを今日新たに覚えます。
さらにペンテコステには「派遣」の意味もあります。聖霊は私たちをこの世界に遣わし、家庭や職場、地域で愛と希望のしるしとなるよう導いてくださいます。
どうか私たち一人ひとりが日々聖霊に導かれ、主の約束された「別の弁護者」とともに歩んでいけますように。(執事 パウロ 福永 澄)