関係をもつ行動
（ルカによる福音書１０章２５～３７節）
イエスは、追いはぎに襲われて半殺しにされた旅人を助けたサマリア人のたとえ話を語ります。このたとえ話には、強盗に襲われて倒れている旅人を助けたサマリア人の姿を通して、人の隣人となって仕えていくあり方が４つ示されています。①サマリア人がユダヤ人を助けるという、「立場の違いを超えてその人に仕える」あり方 ②傷の手当をし、包帯をし、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行ったという、「その人にとって必要なことのために仕える」あり方 ③宿屋の主人に費用を渡して介抱をお願いするという、「その人に継続性をもって仕える」あり方 ④その人が何か要望して費用がもっとかかったら帰りがけに宿屋の主人に支払うという、「その人の主体性を大切にして仕える」あり方。これらのあり方で襲われた旅人に仕えていくこのサマリア人は、まちがいなく、この旅人の「隣人」です。
このたとえ話を聞いた律法の専門家は、日頃、「隣人とはだれなのか」という知識だけを問題にして、他者の「隣人になる」という具体的な行動を起こす姿勢がありませんでした。イエスはその律法の専門家に、「それを実行しなさい」（２８節）、「だれが・・・隣人になったと思うか」（３６節）、「行って、あなたも同じようにしなさい」（３７節）と語ります。
「隣人を愛する」とは「その人の隣人になること」であり、「愛」とは「関係をもつ行動」なのです。