三つの励まし
(ヨハネによる福音書14章23~29節)
イエスは十字架につけられるために祭司長たちや律法学者たちによって拘束されますが、その直前にイエスが弟子たちに語った教えが、ヨハネによる福音書の13章31節から16章33節に記されています。この時に語ったイエスの教えは「告別の説教」とも呼ばれています。本日の福音書はこのイエスの「告別の説教」の箇所が先週と続いて朗読されます。
十字架という出来事によってイエスと弟子たちが引き離されようとされるまさにこの時、イエスは弟子たちに「心を騒がせるな。おびえるな。」と弟子たちを励まします。その励ましの根拠が、三つ示されます。一つは、「イエスを愛し、イエスの言葉を守る人は、父なる神とイエスが、その人のところに行き、その人と一緒に住む」からです。二つめは、「父なる神が、助け手であり弁護者である聖霊を、弟子たちに遣わす」からです。三つめは、「イエスが、平和を弟子たちに残し、イエスの平和を弟子たちに与える」からです。
イエスが弟子たちに示されたこの三つの励ましの根拠は、イエスが弟子たちと共に私たちに与えて下さった希望の根拠です。イエスのみ言葉が私たちに与えられています。私たちがイエスのみ言葉を守れるように、神は私たちに助け手である聖霊を遣わして下さいます。み言葉と聖霊の、その力と支えのうちに私たちが歩む時、私たちは神の平和のうちにイエスと共に生きるのです。「心を騒がせるな。おびえるな。」というイエスの励ましは、神の平和のうちにイエスと共に生きる私たちキリスト者の、大切な合言葉です。