決心
(ルカによる福音書23章1~49節)
本日の福音書には、イエスと一緒に十字架にかけられた二人の犯罪人の一人が、イエスによって、神の国にイエスと共に入るという、救いの約束が与えられる出来事が記されています。ルカによる福音書以外の他の福音書では、この出来事が記されておらず、この記述はルカによる福音書の独自のものです。
イエスも他の二人の犯罪人たちも、皆、手足を十字架に釘付けされ、後は息を引き取るのを待たれているだけの姿でした。そこには自らの死に向かって全く何もなすすべのない絶望の状況がありました。しかしそこに、たった一つの自由がありました。それは自らの心の思いを表す言葉の自由でした。二人の犯罪人のうちの一人は、その自らの言葉で、イエスをののしっていました。しかし犯罪人のもう一人は、イエスをののしるその者をたしなめました。そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」とイエスに言います。それは、イエスと共にいたい、という信仰告白でした。イエスはその人に言います。「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と。
イエスと共にあるという恵みにあずかる時には手遅れはありません。イエスと共にいたい、というその決心があるかどうかにかかっています。