身を起こして頭を上げる
(ルカによる福音書21章25~31節)
本日の主日から、主イエス・キリストのご降誕をお迎えする期節として、降臨節が始まります。本日の降臨節第1主日の福音書では、ルカによる福音書を通して、世界の終わりの状況が示されます。天変地異が起こり、人々は非常な不安と恐れに陥ります。そして多くの人々は混乱と恐れのうちになすすべを知りません。しかしどこまでも神により頼み、忍耐を持って救いを待ち望んでいる人々にとっては、この状況は、解放の時、神の国が近づいている時のしるしであると、イエスは言います。イエスは「このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」と、神に信頼する者のあるべき姿を示します。
どのような混乱や恐れの状況であっても、神に信頼する者にとっては、それは破局ではなく、神の救いが決定的に実現する兆しなのです。これほど大きくて強い希望をもつ姿はあるでしょうか。この姿が、救いを求め、救いを待ち望み、救いを迎え受けようとする者の姿、「身を起こして頭を上げる」姿です。そしてこの姿は、クリスマスの喜びを迎える私たちの姿です。