「主からの招きに応えましょう」
(ルカによる福音書5:1-11)
イエスはイスラエルの人々が良い者は出ないと信じていたガリラヤで宣教の旅を始めて以来、けがれと烙印を押された病のうちにある人、悪霊に取りつかれた人、また、多くのさまざまな病のうちにある人を癒してゆきました。
そのようなイエスの宣教の旅はガリラヤの人々にとって大きな印象を与えることになり、群衆はイエスの言葉を聴こうとして押し寄せるのでした。それは、ゲネサレト湖(ガリラヤ湖の別称)で起こりました。そして、イエスは群衆に教えはじめるのでした。
イエスの話しが終わると、イエスはゲネサレト湖畔で網(漁師が仕事で使う)の手入れをしていたシモン・ペトロ(以後、ペトロと記述します)に「沖へ漕ぎ出し、網を降ろして漁をしなさい」と言われました。その言葉を受けたペトロの心情は悲痛です。なぜならば、夜通し漁をしても何も捕れない仕事状況だったからです。しかし、ペトロは「漁に出てもまた取れないのは容易に想像できるので漁には出ません」は言わず、「しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」とイエスの呼びかけに応えるのでした。
その後の出来事は福音書に書かれている通り、ペトロたちは漁で多くの魚を捕ることになります。それを受けてペトロはイエスに悔い改めを述べ、イエスは「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」とペトロに告げます。そして、ペトロと仲間の漁師たちはイエスに従ってゆきます。わたしたちはペトロのようにしばしば経験則で成果に結びつかないことは、あえてしない(とくに大人は)傾向がありますが、このペトロと仲間のように経験則にたよらずにあえて前へ進むということ、それは主からの招きに応えるということに繋がるのかもしれません。わたしたちも恐れずに歩んで参りましょう。
(司祭ウイリアムズ藤田 誠)