「被献日」
(ルカによる福音書2:22-40)
2025年2月2日は主日と祝日が重なるときとなりました。主日の特祷(聖書箇所を含む)に祝日が優先するのは1年を通してみると数少なく、おおよそは主日のそれが優先されます。なぜならば、主日は、教会暦の中でイエス・キリストの復活にまでさかのぼる根源の祝日だからです(日本聖公会祈祷書1頁参照)。しかし、「被献日」はイエス・キリストの復活にさかのぼる主日に優先して守られる祝日です。その内容が気になりますね。確かめて参りましょう。
「被献日」は英語圏ですと’’Candle Mass’’と呼ばれています。直訳すると「ろうそくのミサ」といったところでしょうか。この意味するところとして、ろうそくが自らを燃やして灯りをともす姿はイエス・キリストが自らの身体を人々のために神へささげた生き方と重なります。そして、ろうそくの火はご復活による人々への救いを表すキリストの光を表します。
イエス・キリストがお生まれになった意味をイエス・キリストが辿った道のり、ことに十字架への受難の道へと繋げて覚える祝日ゆえに、主日であっても、この祝日がイエス・キリストの復活にさかのぼる主日に代わり覚えられるというのもうなずけます。
東京教区ではかつて聖アンデレ主教座聖堂で「被献日」の前日の夕の礼拝において、たくさんのろうそくを灯して「世の光」キリストを覚えて参りました。この礼拝は「光の礼拝」とも言えますが、光に照らされたなかで礼拝に与かるとき、イエス・キリストがわたしたち罪ある人間がこの世で受けた生をその人らしく生きられるために、キリストの存在を通して、その光を照らしてわたしたちをあたためてくださるように感じられました。
きょうはそのような光を持っておられるイエス・キリストが神さまにおささげされたことを記念する日です。
主に感謝します。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)