「イエスの祈り」
(ルカによる福音書3:15-17,21-22)
イエスが祈る場面を福音書は随所で伝えている。なかでも「ゲツセマネで祈る」(マタイ、マルコ)「オリーブ山で祈る」(ルカ)という小見出しのある聖書箇所は、イエスが十字架への道を前に、神へイエスご自身の苦悩を祈りを通して吐露している場面なので、教会に繋がる人々の間では、大斎節のときにしばしば話題となる箇所ではないでしょうか。そして、きょう、わたしたちに与えられた福音において、イエスの祈りは、ご自身が洗礼者ヨハネから洗礼を受けられたときに神へささげられています。
福音書で見られるイエスの祈りは人々のためでした。「○○のために祈るという営み」をわたしたちは主日の礼拝で経験します。この経験とは主日の礼拝での代祷にあたります。そこで、わたしたちは隣人(会ったことのない方々から日々お会いしている方々まで)のために祈ります。
きょうの福音は、「イエスが人々のために祈っていらっしゃる」ということです。それもわたしたちの住むところにいらっしゃり、祈ってくださっているということです。このイエスの祈りは時空を超えてわたしたちのことも覚えてお祈りくださっています。それはわたしたちにとって、大きな励ましです。わたしたちが主へお祈りをおささげするとき、そのとき、すでにイエス・キリストによってお祈りくださっている。そのことを心に留めて今週、共にお祈りを献げて参りましょう。
(執事ウイリアムズ藤田誠)