「主の道を備えよその道筋をまっすぐにせよ」
(ルカによる福音書3:1~6)
降臨節目第2主日を迎えます。アドベントクランツのキャンドルに2つ目の火が灯されます。1つ目は預言者がイスラエルの民へ伝えてきた救い主の到来を示す「希望」でしたが、2つ目は「平和」です。これは、天使たちが羊飼いたちへ救い主がダビデの町に誕生することを伝えたときに起こった出来事に由来します。それは、天使たちが羊飼いへ飼い葉桶に寝ている乳飲み子がメシアが生まれたしるしであることを伝えたときに、天の大軍と天使たちが神を賛美して言われた「いと高き所には栄光、神にあれ地には平和、御心に適う人にあれ。」というメッセージから受け取ったフレーズです。
救い主の到来はわたしたちの「希望」であり、わたしたちの間に宿られる「平和」というメッセージをきょう、わたしたちは主から頂きました。
洗礼者ヨハネがイエスが現れる前に人々へ伝えた罪の赦しのための「悔い改めの洗礼」は救い主の到来によってわたしたちに与えられる「希望」と「平和」へと繋がります。
洗礼者ヨハネは「悔い改めの洗礼」を人々に宣べ伝えるとき、預言者イザヤがかつてイスラエルの民に伝えた「荒れ野で叫ぶ者の声がする。『主の道を備えよその道筋をまっすぐにせよ』谷はすべて埋められ山と丘はみな低くされる。曲がった道はまっすぐにでこぼこの道は平らになり人は皆、神の救いを見る。』」という言葉を引用しました。人々が救いに与かる「悔い改めの洗礼」を前に洗礼者ヨハネは人々に対して、その心構えとして「主の道を備えて、その道筋をまっすぐにする」という預言者イザヤのことばを思い起こします。
この言葉は救い主であるみ子の誕生を待ち望むわたしたちに与えられた備えのメッセージでもあります。師走に慌ただしく生活するわたしたちがみ子の誕生を迎える姿勢として、揺れるわたしたちのこころを静める道へとわたしたちは招かれています。願わくば、慌ただしさを一つ脇に置いて、まっすぐにわたしたちが神さまからのみ言葉を聴くことができますように祈りたいと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)