「世の終わりと救いの始まり」
(マルコによる福音書13:1-8)
ヨハネによる黙示録ではこの世の終わりと最後の審判、そして、キリストの再臨による人々の救済が記されています。新約聖書で示される黙示とは神の隠された救いの計画がイエス・キリストにおいて明らかにされることです。ヨハネの黙示録は一つの文書としてそのことを表しています。そして、マルコによる福音書の第13章は福音書というイエス・キリストのことを証しした文書の中での一部分において、キリストがこの世に到来した意味を黙示的に表しているので、小黙示録と呼ばれています。
イエスは当時のユダヤ人たちの崇拝の拠り所であったエルサレム神殿の崩壊を予告します。これはイエスを十字架刑へ追い込むための証言に使われているように神への冒涜ととらえる人々が多数いました。
わたしたちはこの世において何を拠り所としているのか?という問いをイエスはわたしたちに問いかけています。イエス・キリストの愛と平和に生かされて赦されていることに感謝を献げる生き方ではなく、何か形のあるものを拠り所としていないか、そのことに気付かされるきっかけをイエスはわたしたちに示します。その気付きとは、教会という建物の空間、礼拝の雰囲気、聖職者の人格などなど、そのような形態や形式による居心地のよさだけにとらわれて、イエス・キリストの十字架の死によって贖われて、ご復活によって新たな命(生き方)へ招かれたことへの感謝の心を見失っていないか?
自分自身をふり返る機会を頂けたことがきょうの福音です。主に感謝します。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)