「永遠の命のうちに」
(ヨハネによる福音書6:51-58)
ヨハネによる福音書を読むと「永遠の命」という言葉をしばしば目にします。これはイエスを神さまがこの地上に遣わしてくださった御子として人々が受けいるとき、「永遠の命」が人々に与えられるという意味です。
イエスが自らの「いのち」を神さまに差し出してくださったことによって、人々は自分の力ではどうすることもできない悪い思い、すなわち、自分の内側から湧き上がる怒り、憎しみ、嫉妬にからめとられた自分自身を一度、死なせて、イエスのよみがえりによって赦された者として生まれ変わること、これが人々に与えられた「永遠の命」でした。
イエスは自らを神の子羊として神へ献げられることを自覚して、弟子たちとの最後の食事のとき、パンを取り、祝福してそれを裂き、弟子たちに言われました。「取りなさい。これは私の体である。」そして、杯を取り、感謝を献げて彼らに与えて与えて言われました。「これは、多くの人のために流される、私の契約の血である。」
弟子たちはイエスが「命のパン」であることをこの後、イエスの十字架の死と三日目のよみがえり、すなわちご復活によって体験してゆきます。この体験は弟子たちにとって本当に赦された体験であり、自分たちの弱さを受け入れて、神(イエス・キリスト)の愛と平和を宣べ伝える者へと変えられました。
キリスト者はこの弟子たちに続いて、自らもまた本当に赦されたことに深く感謝して神(イエス・キリスト)の愛と平和を出会う人々に伝えてゆき、「永遠の命」のうちに生きてゆく者へと変えられてゆくのだと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)