「イエスの話を聞く姿勢」
(マルコによる福音書4:26-34)
イエスは神の国のことについて譬えを用いて人々によく語りました。なかでも「からし種」のたとえは人々の想像をはるかに超えたところにあるものだったのではないかと想像します。なぜならば、「からし種」はとても小さいからです。一粒は1mmに満たない程の大きさです。それが、発芽をして成長すると3メートルから5メートルほどの大きさまで成長するそうです。確かに私たちの想像をはるかに超えたところに「からし種」の成長はあるのですが、しかし、イエスはたとえを「人々の聞く力に応じて御言葉を語られた」と今回の福音書では述べられています。それは私たちにとってありがたいことです。
また、一連の譬え話のなかで、イエスは私たちの「聞く姿勢」によっては「神の国」の真意を受け取れることができるということを示唆します(「聞く耳のある者は聞きなさい。」マルコ4:23)
私たちは、人の話を聞くときに先入観を持って耳を傾けることがしばしばあります。嘘の話が多い人の話を聞くとき、話半分に受け取るということもあるでしょう。しかし、イエスの話を聞くとき、そのような先入観があると「神の国」のことは分からない。また、素晴らしいお恵みを私たちは受け取ることができないということになるのでしょう。それは何ともったいないことでしょうか。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)