「私はあなたがたを友と呼ぶ」
(ヨハネによる福音書15:9-17)
まもなく昇天日を迎えます。ご復活されたイエス・キリストはこの地上で40日間過ごした後、天に昇られました。昇天日を前に私たちに与えられた福音の言葉は、最後の晩餐の席でイエス・キリストが弟子たちに語ったものでした。
イエス・キリストは弟子たちのことを「僕」とは呼ばず「友」と呼びました。そして、「互いに愛し合いなさい。これが私の命令である。」(ヨハネ15:17)と言います。
神さまは私たちのことを無条件に愛してくださいます。しかし、残念ながら私たち人間はそのようには人を愛することができません。それは、私たち人間にはそれぞれ限界があるからです。そこで、神さまのみ子であるイエス・キリストが弟子たちに、そして、今の私たちに贈ってくださった言葉が「私はあなたがたを友と呼んだ。」(ヨハネ15:15)でした。イエス・キリストが私たちのことを友と思ってくださることで、私たちがイエス・キリストから受ける愛は、誰かを支配するような愛でなないことに私たちは気が付きます。
それゆえに私たちもまた、隣人を自分と対等な友として受け入れることができるのでしょう。それは主従関係ではなく、また、家族の関係でもない、「友」というお互いが自立した関係性なのだと思います。
このことによって、イエス・キリストが昇天されても私たちは寂しがることはありません。隣人をリスペクトしつつ、イエス・キリストが弟子たちと私たちに示してくださった愛に倣えますようにと祈りたいと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)