「イエスは良い羊飼い」
(ヨハネによる福音書10:11-18)
「イエスは良い羊飼い」と言われる聖書箇所(ヨハネ10:11~18)が福音として与えられています。 ある羊肉専門店のwebサイトで羊の特性が書かれていました。 そこでは「1頭の羊を捕まえるよりも100頭の羊を捕まえる方がたやすい」という事例を挙げつつ、群れからはぐれてしまった羊を捕まえようとしても、羊は不安と恐怖心から逃げまどうばかりでなかなか捕まえることができないとの見解を示していました。羊のように臆病な人間も同じでしょう。孤立した人間を他者が癒すことは容易ではありません。しかし、イエスは群れから離れた一匹の羊に心を寄せるように羊のように臆病な人間を取りこぼすことなく寄り添ってくださる方です。
良い羊飼いであるイエスは羊のように臆病な人間のためにご自分の命を主にお献げします。それが十字架の出来事です。私たち人間は臆病ゆえに不安と恐怖心から自らを孤立へと追い込みます。隣人を失った人間に自重することはできません。それゆえにイエスは十字架に付けられて死んでしまいました。
しかし、いま、イエス・キリストはご復活されています。一匹の羊に心を寄せるように私たち人間、一人ひとりに寄り添ってくださっています。私たちはただ心を開いてイエス・キリストに安心して自らの弱さを差し出すだけなのでしょう。それが古い自分に死んで新しい命の内に生かされるということなのだと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)