主イエスの変容
(ルカによる福音書9章28~36節)
本日の主日は「主イエス変容の日」に定められています。本日の福音書では、イエスが山の上で姿を変えられた出来事が朗読されます。これは「主の変容」といわれる出来事です。イエスの姿が弟子たちの目の前で変わり、イエスの顔の様子が変わり、イエスの服は真っ白に輝きました。このことは、エルサレムで、イエスがやがて十字架につけられ、死んで復活し、はっきりと神の栄光をあらわすことを、あらかじめに予告する出来事でした。本日の福音書のこの箇所はまた、教会歴において、大斎節の期間をむかえる直前の大斎節前主日にも朗読されます。それは、福音書をとおして「主の変容」の出来事を私たちも知り、やがて示される十字架の受難と復活による栄光のイエスの決定的な姿を、私たちは予告されるのです。
イエスはその姿を変容され、本来の栄光の姿をはっきりと示されました。イエスに倣い、イエスと共に生き、イエスに従って歩む私たちも、本来のあるべき姿、本来のあるべき生き方へと、自らが変えられていくことを、神は望んでおられます。「主イエスの変容」は神の私たちへのこの望みをも示しています。私たちは皆、神につくられ、愛され、本来の私たち自身のこの存在はふさわしいものとされています。私たちの教会もまた、神に祝福され、支えられ、本来のその働きは大切なものとされています。本来のこのあるべき姿に、私たち自身は、私たちの教会は、さらにはっきりと「変えられて」いくように、神は望んでおられます。そして私たちが「変えられて」いくこのことは、神のみ心と神の力によってなされることを、私たちは祈り求めていかなければなりません。