「あなたがたに平和があるように」
(ルカによる福音書24:36b-48)
ご復活されたイエス・キリストは弟子たちの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われました(ルカ24:36)。先週はヨハネによる福音書よりこの言葉を聴きました。そして、今日はルカによる福音書より同じ言葉を私たちは聴きます。ご復活されたイエス・キリストを前にして、ヨハネによる福音書で描かれている弟子たちとルカによる福音書で描かれている弟子たちでは「ご復活への喜び」へ至る過程が異なりますが、弟子たちがイエス・キリストを十字架の上で死なせてしまった悲しみ、そして、大切な師を裏切ってしまったことへの悔悟があったことは共通していると思います。
起き上がれなくなっていた人がイエス・キリストのご復活によって再び立ち上がり、そのことを証してゆく物語が弟子たちによって紡がれてゆきます。今日のルカ福音書の後半で記されているイエス・キリストの言葉『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、その名によって罪の赦しを得させる悔い改めが、エルサレムから始まって、すべての民族に宣べ伝えられる。』(ルカ:24:46~48)によって、弟子たちは悔い改めることと罪の赦しを経験していったのではないでしょうか。「悔い改める」という言葉は「神へ立ち帰る」という意味があります。弟子たちはそれぞれが神と向き合い、そして、「神に赦された」という経験をしていったのだと思います。私たちもまた「神へ立ち帰る」ことによってそれぞれが「神に赦された」という経験をしているのではないでしょうか。主に感謝します。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)