キリスト教教会 目白聖公会の公式ホームページです。
Anglican-Episcopal Church, Tokyo Japan

「主イエスが受ける洗礼」
（マルコによる福音書1:4-11）
　神さまのみ子であるイエス・キリストが「洗礼」を受ける意味は何かと考えるとき、キリスト者が受ける「洗礼」の意味をふりかえることでヒントを得たいと思います。祈祷書の教会問答のなかで「洗礼とは何ですか」という問いがあります。そして、その答えはこのようになっています。「聖霊の働きによって、わたしたちがキリストの死と復活にあずかり、新しく生まれるための聖奠です」聖霊とは旧約聖書の時代から人々が危機のときに神さまが人々へ向けて注ぐ風です。この聖霊によってイエスの十字架の死によって絶望のなかにあった弟子たちは再び前を向くことができるようになりました。そして、キリスト者が「洗礼」を受ける際に注がれる水と聖霊も神さまが彼らにお与えになるものであり、それは、キリスト者を死から永遠の命へ移行される恵みの業です。私たち人間にとって死はすべてが終わる出来事、予測できない不安や恐れを巻き起こす事象です。人は神さまの似姿としてよいものとして創られましたが、神さまから人が離れると自分中心となり、隣人を大切にできなくなります。それが「罪」とよばれるものです。死はこの「罪」を助長する性質を持っています。この「罪」に絡み取られた私たちの肉体と精神を自由へと解放してくださるのが「洗礼」の恵みです。
　イエス・キリストが「洗礼」を受けた意味とは、このような「罪」に絡み取られた私たちのところまで降りてくださったということでしょう。そのことに感謝したいと思います。
（執事ウイリアムズ藤田　誠）