「救い主の到来」
(マタイによる福音書13:33-37)
イエス・キリストのご降誕を待ち望むときがきました。教会の暦として私たちはこの期節のことを「アドベント」と言いますが、この言葉の語源であるラテン語のアドベントゥスをラテン語辞書で調べると「到来」という意味であることが分かります。
イエス・キリストのご降誕日であるクリスマスは12月25日です。この日は1世紀から4世紀前半までの古代ローマにおいて冬至(冬が一番長い日)であり、太陽の誕生をお祝いするグループがありました。336年にローマでクリスマスをお祝いする記録がローマ・カトリック教会にはあるので、おそらく、このころ、冬が一番長い日に自分たちも光としてやってくる救い主(キリスト)のことを心に留めてお祝いしようと当時のキリスト者たちは思ったのでしょう。
イエスはベツレヘムでご降誕後、ガリラヤで活動した後、エルサレム神殿のあるエルサレムへ上りました。その神殿で弟子たちに終末が来ることを伝えますが、今日、読まれる聖書箇所はイエスが終末に救い主が来るので「気をつけて、目を覚ましていなさい」と弟子たちに語る場面です。
アドベントの始めにこの箇所を聴くとき、それは、私たちがイエス・キリストのご降誕を待ち望み祈り続けることなのだと思います。キリストが私たちの希望の光として、救い主として到来します。そのとき、私たちの持つ限界を暗闇として目を逸らすことなく見つめて主の救いを祈ることができたらと思います。きっとキリストは私たちが祈りとして差し出す暗闇を照らして希望への変えてくださるはずです。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)