「骨折る程、疲れた者たち」
(マタイによる福音書11:25-30)
今回、福音書で語られているみ言葉のなかで、教会の掲示板によく掲示されるフレーズがあります。「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイ11:28新共同訳)
新しく訳された聖書協会共同訳では「すべて重荷を負って苦労している者は、、、」となっています。スイスの新約学者ウルリヒ・ルツは「あなたたち骨折りで疲れている者、、、」(小河陽訳)と訳していますが、原文に寄せてみると「骨折る」ほど疲れきってしまった状態の人のことを指すので、ルツの訳より今回のみ言葉から福音を受けたいと思います。イエスの言う骨折りで疲れきっている人は私たちの周りに大勢います。ほとんど、すべてと言っても過言ではないでしょう。戦争、内戦、病気や性差による差別、父権的世界内での弱者への抑圧、外国人やホームレスの排除、学校や会社内でのいじめ、国内での極端な経済格差、気候変動、生態系の異変など、人間と動植物を含めた神の被造物は日に日に痛んでいると言えます。
なぜ、こうも私たちや周りの被造物は痛んでしまったのでしょうか?旧約聖書の創世記より聖書全体を通して語られている被造物の歩みに耳を傾けたいと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)