キリスト教教会 目白聖公会の公式ホームページです。
Anglican-Episcopal Church, Tokyo Japan

「イエスとの再会」
（ルカによる福音書24:13-35）
　先主日に引き続き、福音書では復活したイエスと弟子との出会いが語られています。今回は二人の弟子がエルサレムからエマオへ向かう途中で、復活したイエスと出会う場面です。「出会う」というよりは「再会」したという言葉のほうが、彼らの思いに近いのかもしれません。しかし、この「再会」は私たちの人生でよく経験するような、出会った際にお互いに一目で分かり喜びを分かち合うというものではありませんでした。
　二人の弟子はイエスが現れても気が付かずに暗い顔をしていたのでした。無理もありません。あの大切な師であるイエスが十字架にかかり死んで、墓に葬られた後のことですから。彼らはなかなか復活したイエスに気が付きませんが、日が暮れてきたので、イエスに「一緒にお泊りください。」と声をかけます。そして、一緒に食事の席に着いて、イエスがパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いて二人の弟子に渡したとき、初めて、彼らは復活したイエスと「再会」していたことに気が付くのでした。
　聖餐式を想い起こす場面とも言えます。司祭が感謝と賛美の祈りを唱えた後、パンを裂くとき、私たちはイエスが私たちのために体が裂かれたことを覚えます。日々の生活でイエスのことを忘れても主日に教会の聖餐式でイエスのことを思い出す恵みが私たちには与えられています。そして、「再会」したイエスに気が付かずに暗い顔をしていた二人の弟子たちを見るとき、実は日々の生活で辛いとき、その傍らにイエスがいるというメッセージを今回の福音書は私たちに投げかけてくれています。私たちにとって、このことは神さまからの大きな励ましではないでしょうか。主に感謝します。
（執事ウイリアムズ藤田　誠）