「神は愛であり、赦し」
(ヨハネによる福音書20:19-31)
イエス・キリストがご復活されました。みなさまおめでとうございます。今日の福音の箇所を読みますと、弟子たちはご復活されたイエス・キリストと出会い、心より喜んでいる様子が分かります。弟子たちは師であるイエスが十字架に付けられて死に、墓に葬られた後、ユダヤ人たちを恐れて、それぞれ家の戸に鍵をかけていました。そこにイエスが現れて彼らの真ん中に立ち「あたたがたに平和があるように」と言って釘で打たれた痕の手の平と槍で刺された痕のわき腹を見せるのでした。
「私たちが見捨てて、あの十字架という残酷な刑で死んだイエスさまが目の前にいらっしゃる!」
弟子たちの喜び、そして、悔悟の気持ちが少しずつ溶かされていく様子を福音書記者ヨハネは伝えています。弟子たちはイエスから聖霊の息吹を吹きかけられて神さまからの「赦し」を実感したことでしょう。そして、この「赦し」は自分たちを支配していた「恐れ」を取り除く愛である神さまからの恵みなのだと思ったのではないでしょうか。
私たち人間が赦されたと実感してもすぐに忘れてしまうことを弟子たちが復活したイエスに出会ってから八日後、また、それぞれの家の戸に鍵をかけていたことが示しています。それでも、イエスはまた、弟子たちと、今度はイエスの復活を信じられないでいたトマスのもとに現れて真ん中に立ち「あなたがたに平和があるように」と声をかけるのでした。ご復活されたイエス・キリストは「主の平和がありますように」と願い祈る私たちのところに何度でも来て、私たちの真ん中に立ち「あなたがたに平和があるように」と呼びかけてくださるのだと思います。神さまの愛と赦しに感謝します。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)