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「水を飲ませてください」

「水を飲ませてください」
(ヨハネによる福音書4:5-26, 39-42)
 ヨハネによる福音書においてイエスは3回、ユダヤ人の祭り(過越祭または仮庵祭、神殿奉献記念祭)の度にエルサレムへ上ります。最初のエルサレムでは神殿から商人を追い出した出来事がありました。その後、イエスはガリラヤへ帰るのですが、その旅の通過地点であるサマリアにあるヤコブの井戸で一休みします。そこでイエスは水を汲みに来たサマリアの女と出会います。イエスはサマリアの女に「水を飲ませてください」と言いました。しかし、サマリアの女は、「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と答えるのでした。なぜ、サマリアの女はこのような発言をしたのでしょうか?それには深い歴史的経緯がありました。
サマリアは紀元前10世紀にイスラエルの王国が分裂したとき、北イスラエル王国の中心となった所です。紀元前722年にアッシリアが北イスラエル王国を征服した際、異宗教の異民族をこの地に入植させてから、サマリア地方ではユダヤ教と異宗教の混淆宗教が起こりました。そして、南ユダ王国(ダビデ家)がバビロンに征服されて、エルサレム神殿が紀元前586年に崩壊した後、さらにバビロンを征服したペルシア王キュロスによる寛容政策によって、再びエルサレムに神殿をユダヤ人たちが築こうとするとき、サマリア人もこれに加わろうとしましたが、彼らに断られたたため、サマリア人はゲリジム山に神殿を築いてモーセ五書を聖典として「サマリア教団」を作りました。そのことゆえにエルサレム神殿を中心とした南ユダ王国のユダヤ人にとって、サマリア地方の人々は民族的にも宗教的にも異質な存在でした。また、それはサマリア人にとっても同じでした。
このようにダビデの家系であるイエスとサマリアの女の背景には大きな壁がありました。しかし、イエスは彼女に「水を飲ませてください」と頼むのでした。大きな壁が取り去られる瞬間です。もし、私たちのところにイエスが来て「水を飲ませてください」と言ったら、私たちはどのように応えるのでしょうか?素直に水を差しだすのか、それとも、言われていることに気が付かないでいるか、また、サマリアの女のように紆余曲折しながらもイエスに「主よ、渇くことがないように、、、その水をください」とお願いするのか。イエスがこの地上に来た意味を考えながらイースターまでの日々を黙想したいと思います。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)

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