「あなたがたは地の塩である」
(マタイによる福音書5章13節)
イエスは弟子たちに対して「あなたたちは地の塩だ」と呼びかけました。この言葉を聴くとイタリアンレストランでパスタ料理を作っていたときのことを思い出します。パスタを使った料理を作るとき、パスタを茹でるお湯に塩を入れるのと入れないとでは、料理の仕上がりが変わってきます。塩を入れずに茹でたパスタを合わせるソース(トマトベース、クリームベースetc.)に投入してもなかなか味が定まりません。それは、パスタに下味が付いていないからです。また、逆に茹でるお湯に塩を入れすぎると、合わせるソースをどんなに薄めても口に出来ない味に仕上がります。料理を活かすのは塩であり、また、塩が料理を台無しにすることもあり得る。このように思います。イエスが人々に塩と呼びかけるとき、隣人との関係をよい形にするのもそうでなくなるのも「塩」である私たち自身のあり方によるものだということなのでしょう。自分の主張が強すぎると関わる隣人の個性が活かされなくなり、また、逆に自分の主張が無い場合、隣人との関係は歪んでいってしまうということを示唆しているのかもしれません。神さまの子どもとして私たちは果たすべき役割があります。それがどのような役割なのか?それぞれが黙想と祈りのうちに主から与えられるものと信じます。そして、私たちがそれぞれの役割を果たすとき、その働きが主の栄光をあらわすものでありますようにと祈ります。
(執事ウイリアムズ藤田 誠)