「心をまっすぐに」
(ルカによる福音書3章1~6節)
本日は降臨節の第2回目の日曜日です。本日の福音書では、ルカによる福音書を通して、洗礼者ヨハネの出現について朗読されます。洗礼者ヨハネは、真の救い主(メシア)が来られることを預言し、すべての民の一人一人が悔い改めて、メシアを迎えるためのふさわしい備えをなすべきことを訴えました。メシアを迎えるために悔い改めて備えをなす具体的なこととして、ヨハネは人々に洗礼を施していました。
本日の福音書の箇所のはじめに、ヨハネが登場した時の、その時代の政治的、宗教的指導者の名前が列記されています。ここで注意したいことは、当時のそのユダヤでは、政治的指導者や宗教的指導者が複数いた、ということです。これは無秩序と混乱を示しています。その社会的、時代的状況の中で、ヨハネは、王宮や神殿ではなく、荒れ野で救い主(メシア)についてのメッセージを語り、これから来られる救い主に対する具体的な行動を起こします。このことは、「真の秩序」は、王宮や神殿にあるのではなく、すべての民の一人一人を救おうとされる救い主(メシア)の愛のみ心にある、ということを示しています。その救い主に、希望をもって、私たち自らの心をまっすぐに向けることが求められています。
洗礼者ヨハネが民に教え示した真の救い主(メシア)が、イエス・キリストだったのです。