すべてをゆだねて
(ルカによる福音書1章26~38節)
今日の主日に、祭壇のそばにあるクリスマス・クランツの4本のろうそくが、すべて灯りました。み子イエス・キリストのご降誕をお迎えする準備のための、4回の降臨節の主日をすべて迎えた、ということです。
今日の第4回目の、最後の降臨節の主日に、私たちは福音書で、イエスの母マリアの出来事について読みます。神の使いである天使ガブリエルは、ナザレの町のマリアというおとめのところに遣わされます。そして天使ガブリエルは、マリアが身ごもって男の子を産むことを告げます。マリアはこの事態に恐れます。いいなずけのおとめが身ごもるということは、当時、姦淫の罪で死罪となるほどの出来事でした。しかし天使ガブリエルは、このことは神の救いのご計画の中にあり、マリアは神の力によって用いられることを知らせ、神にできないことは何一つない、と宣言します。マリアは天使ガブリエルのこの知らせを一身に受け、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」とこたえます。すべてを神にゆだねるマリアがいました。
私たちはこの降臨節のこれまでの主日にあって、み子イエス・キリストのご降誕をお迎えする備えの取り組みについて確認してきました。神の救いのみ業をさらに深めるために、私たちは神の救いの恵みに与かる今の時にあるという時をわきまえること、心を神にまっすぐに向けること、私たち自身が新たになって神の救いを受け入れる真の備えとすること、です。そして今日の福音書をとおして、すべてを神にゆだねるマリアのように、神への全き信頼をもって神の救いのご計画を受け入れ、神の救いの実現を待ち望んでいく、という決意が求められているのです。