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12月22日 迎え入れる

迎え入れる
(マタイによる福音書第1章18節~25節)

 イエス・キリストの誕生について具体的に記された記事は、マタイによる福音書とルカによる福音書にしか記述されていません。そしてマタイによる福音書において、イエス・キリストの誕生の物語は、イエスを生んだ母マリアの夫、ヨセフについての物語から始まっています。イエスの母マリアはヨセフと婚約していましたが、二人が一緒になる前に、マリアは聖霊によって身ごもっていることが明らかになりました。当時のユダヤの社会では、結婚をする前の当事者の二人は、一年間、特別の婚約期間を定めることになっていました。それは二人がそれぞれ、社会的にも道徳的にも正しい者かどうか吟味される時でもありました。二人にとってそれぞれ、社会生活や人間関係等で、何のトラブルもみいだされないなら、一年後に二人は正式に結婚生活が了承されました。その婚約期間は特別に、社会からも両家の家族親族からも、厳しく二人は吟味されるのでした。もし夫となる男性に不正や負債などがあった場合、それについては即刻、結婚する前のうちに、償わなければなりませんでした。妻となる女性についても同様でした。そして何か問題やトラブルがあった場合、明確に解決していなければなりませんでした。また一年の婚約期間の間は、二人は一緒になることはありませんでしたので、妻となる女性が万が一、他の男性との間の子を身ごもっていれば、その婚約期間の間に確実に発覚しました。そしてその場合、その女性は姦淫罪を犯した者として死罪となりました。婚約期間というのはそれほど重要で厳しい時でした。
 その婚約期間を過ごしているマリアが身ごもりました。夫ヨセフはこのことを表ざたにはせず、ひそかにマリアと縁を切ろうと決心します。もしこのことが表ざたになったら、マリアは確実に姦淫の罪で死罪となりました。ヨセフはひそかにマリアと縁を切ることによって、マリアの命は救いたいと考えたにちがいありません。しかし、ヨセフの決心を超えて、神のご計画が現われます。主の使いがヨセフの夢に現われ、神のご計画が知らされます。そして神のご計画が実現するために、ヨセフのなすべきことが示されます。それはヨセフにしかできない役目であり、なすべきことでした。 「恐れず妻マリアを迎え入れなさい。」 これが神のご計画の実現にとってなくてはならない、そしてヨセフのみがなし得る重大な役目でした。そしてヨセフは、「妻を迎え入れ」ました。ヨセフが「迎え入れたこと」は、婚姻関係の問題においてのある女性を単に迎え入れたことではありません。主のみ言葉のとおりに、この世界の救いの実現の始まりを、恐れず迎え入れ、受け入れたのです。それまでにヨセフの生きてきた環境、ヨセフを取り囲んできた常識、ヨセフが担ってきた価値観、それらを超えて、ヨセフは神のみ言葉を迎え入れました。この大きな深い決断をしたのです。
 クリスマスに示される、神の救いの実現の始まり。このクリスマスにあって、私たちは、神のみ言葉を迎え入れたあのヨセフの姿を見失ってはなりません。神は今も、私たち一人一人の、神のみ言葉を迎え入れる決断を通して、この世界に救いを実現されているのです。

礼拝案内 Service

日曜日(第一日曜日を除く)
Sunday(except for first Sunday)

7:30 聖餐式 (Holy Communion)
9:30 日曜学校 (Sunday School)
10:30 聖餐式 (Holy Communion)
17:00 夕の礼拝 (Evening Service)

第一日曜日 first Sunday
9:30 日曜学校 (Sunday School)
10:30 朝の礼拝 (Morning Service)
17:00 夕の礼拝 (Evening Service)

■10:30からの礼拝には手話通訳があります。

聖日 Holy Day
7:30 聖餐式 (Holy Communion)

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