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    聖シプリアン聖堂 St.Cyprian Chapel

    聖堂外観

    聖シプリアン聖堂は、1929年(昭和4年)に建立されたバシリカ様式の聖堂です。
    1985年(昭和60年)に設置されたステンドグラスは夜間ライトアップされ、目白の街を照らし出しています。

    聖堂名の由来となった聖シプリアン(キプリアヌス)は3世紀、カルタゴの主教で、日本聖公会でも9月13日を小祝日としています。
    ローマ帝国の迫害により殉教したことから聖人とされています。

    聖堂内部

    ステンドグラス Stained glass

    聖家族の神殿奉献を主題にしたステンドグラス
    聖家族の神殿奉献を主題にしたステンドグラス

    このステンドグラスはもともと、イングランド島南西端コンウォル地方の中心部トゥルーロにある、エピファニー修道院(東京・ナザレ修道院の母院)旧館のチャペル正面にありました。
    建物の老朽化にともなう同院の移転に際し、関係者多数の祈りの内に、当教会が無償で譲り受けることができたものです。私たちは大切な信仰の遺産を受け継いだわけです。

    制作の時期は1889年(明治22年)と記してありますが、工房・作者等は不明です。
    制作の年代・場所(ロンドン)からみて、工法や画風は、ともにアール・ヌーヴォーの源流とみられるウィリアム・モリス(1834〜1896)らのグループの影響を強く受けているようです。
    当時のヨーロッパ美術界で脚光を浴びていた、ジャポニスムの流れを汲んで、細部には繊細な唐草模様が多数使われています。

    12枚のフレームは当初、上下2段で1つの壁面を構成し、全体の色調のバランスを保っていました。当聖堂では構造上、主テーマの”聖家族の神殿奉献物語”を描いた上掲パネル4枚を2階中央に、残りの8枚は1階両側の窓に配置しました。
    幼児イエスを抱いて賛歌を歌うシメオンと聖母マリアを、ヨセフと女預言者アンナが左右から囲んでいます。
    人物や持ち物、背景などについては『ルカによる福音書第2章22〜38節』をお読みください。

    『ルカによる福音書』2:29〜32

    シメオンの賛歌
    主よ、今こそ、あなたはみ言葉の通り || しもべを安らかに去らせてくださる
    わたしはこの目で || 主の救いを見た
    これは主が || 万民のために備えられた救い
    すべての人を照らす光 || み民イスラエルの栄光

    聖アグネスとベタニアのマリアのステンドグラス

    聖アグネスのステンドグラス
    聖アグネス
    ベタニアのマリアのステンドグラス
    ベタニアのマリア

    上の2枚は、中央パネル4枚の左右に置かれていましたが、顕現物語とは直接関係がありません。
    左は「神のみ座に汚れなき」(絵の説明による、以下同じ)聖アグネス(304年、ローマで殉教した10代の少女)、右は多くの罪を赦された香油の壺を持つマグダラのマリアです(ルカ7:37〜38)。

    天使像のステンドグラス

    導きの星
    導きの星
    乳香(香炉)
    乳香(香炉)
    黄金(冠)
    黄金(冠)
    没薬(杯)

    天使像6枚は、前記の大きいパネルの上列にありました。ここのテーマは『マタイによる福音書』のクリスマスの顕現物語からです(2:1〜12)。導きの星、冠(黄金)、香炉(乳香)、杯(没薬)は3人の博士の献げものです。

    巻物(1)
    巻物(1)
    巻物(2)
    巻物(2)

    最下段の2枚の巻物には「おまえ(ベツレヘムの町)の中から1人の君が出るであろう」(右2:6)、「私たちはその方(主イエス・キリスト)を拝みに来ました」(右2:2)と書いてあります。

    聖堂は日中は自由にお入りいただけますので、ぜひお気軽にお越しください。